国内政治につき所見を述べる

 愛知県、名古屋市におけるトリプル選挙は、民主党、自民党といった既成政党に対し地域主権を唱える河村、大村両氏の圧勝に終わった。この選挙結果を既成政党に対する不満のみに原因を期することはできない。

 政策が争点とならなかったという評価もあるが、そうは思わない。この愛知県におけるトリプル選挙結果は、国政においても地方分権化を推進する政策軸をより強固にするとともに、小さな議会を求める政策軸を確立することになるであろう。地方分権化の議論は、大阪都や中京都構想とともに道州制をも視野に入れたより具体的な政策論の段階に入っていくであろう。

 河村氏が強く主張する大幅減税は、国、県、市の議員の給料を下げ定員削減の原動力となることは必定である。その意味で小さな議会を求める国民世論は拡大していくであろう。但し、この地方における大幅減税論が、小さな行政府を求めているのかは不明である。恐らくは、小さな行政府を求める国民世論とはならず、社会保障サービスを求める世論を沈静化することにはならないであろう。

 いずれにせよ、今回の選挙結果が、これから行われる統一地方選挙に大きな影響を及ぼすことは明らかであり、その結果が、次の国政を動かす契機となることはほぼ明確となった。この国を政策を軸としてより長期的視点から立て直す安定した政治勢力を再構築するチャンスがようやく我が国に来るように思われる。

 外交・安全保障、社会保障、教育、地方行政組織再編と強化、小さな議会を政策基軸とした安定した政治勢力を総選挙を前後にしていかに作り上げるかが、我が国の最大の政治課題となってきたと考える。

武見 敬三