第12回武見セミナー「帰国報告会」御礼

ハーバード大学に拠点を置いたグローバル・ヘルスに関する20ヶ月間の研究活動概要を報告しました。ハーバード大学におけるセミナーや講義、出席した多くの国際会議、アフリカ・アジアにおける現地視察等を写真を活用し説明し、ランセット誌に掲載された政策研究や洞爺湖G8サミットへの政策提言、日本国際交流センターに設立された「グローバル・ヘルスと人間の安全保障プログラム」につきパワーポイントを使い概要を報告しました。(詳細はPDF資料(3.27MB)をご覧ください。)

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この帰国報告にて強調したかったことは、(1)国際保健がグローバル・ヘルスと呼ばれるようになったこと、(2)そのグローバル・ヘルスが保健医療の専門家だけの問題ではなくなり外交課題として採り上げられるようになったこと、(3)こうした国際社会の構造変化に対応する為に保健医療に関係する政府内各省間の官官協力と市民社会・NGOとの連携を促進する官民協力を一体的に進めることが必要になってきたことです。結論としては、G8のホスト国であったことにより形成された一時的な協力体制を恒常的な協力体制にすることでした。そして、我が国において決定的に不足するグローバル・ヘルスの政策人材を育成する体制を整備することです。

これらの結論を実現する為には、政府内の縦割り行政の弊害を排除し、人事交流による各省横断型のグローバル・ヘルスの政策人材を養成するキャリア・パスを作ることが不可欠です。厚労省内においても、国立保健衛生科学院、国立国際医療センター、国立感染症研究所等を再編統合し、日本版の米国National Institute of Health(NIH)やCenter for Disease Control(CDC)を創設することが望まれます。そして、これらの厚労省の諸機関と外務省国際協力局や日本国際協力機構(JICA)等との人事交流を含めた組織的連携を進めることが求められます。

当面は、財団法人日本国際交流センター内に「グローバル・ヘルスと人間の安全保障プログラム」を創設し、洞爺湖G8サミットのホスト国として一時的に形成された官官協力と官民協力を一体的に促進する機能を継承し発展させることになりました。このプログラムでは、ランセット誌と協力して世界でも有数の長寿社会でしかも健康寿命のもっともすぐれている日本の医療制度を歴史的総括を含め総合的に分析するジャパン・ランセット・シリーズを計画しています。このシリーズは、国民皆保険制度50周年にあたる2011年にランセット誌に掲載されます。

帰国報告会には、北海道から九州まで全国各地から約300名の皆さんが参加してくださいました。あらためてご参加くださった皆様に御礼申し上げます。

武見敬三