英国医学雑誌ランセット共催、国際シンポジウムを終えて

9月1日に日本国際交流センターと英国医学雑誌ランセット共催で、国際シンポジウム「21世紀型の新たな皆保険制度 − 日本の保健システムを再考する −」が開催されました。このシンポジウムは、来年9月にランセット誌が発表するランセット日本シリーズ論文の中間査読会議に際し、一般向けに企画しました。

世界保健機関WHOが発表した「世界保健報告2010年」の中心テーマは、皆保険制度に関するものでした。来年は、我が国にとって皆保険制度が成立してから50周年にあたります。2030年には、アフリカと南アジアの一部を除いて人口の13%以上が65歳以上の高齢化が進み、高血圧や糖尿病、ガンや脳卒中等の非感染症で死亡する人が急増します。それだけに継続して長期の治療を必要とする人々が増えることに対応した皆保険制度が不可欠です。低所得国でもアフリカのガーナやウガンダ等で皆保険制度導入の努力が始まっています。

我が国は、男女ともに世界で最も平均寿命が高い健康社会となっています。しかも、高齢化先進国で、50年間にわたり皆保険制度を維持し、適切な医療サービスを提供してきた我が国の経験の中には様々な他の国々に役立つ経験が沢山あります。その経験を如何にして海外の人達にわかるように伝えることが出来るでしょうか。そこでは、皆保険制度に関するデータが公開されており、科学的根拠に基づく研究調査が実施されていなければなりません。この様な問題意識が我が国にはあまりなかったことから、せっかくの経験も他の国の人々に役立たせることが出来ないでいるのが現状です。

世界の専門家の参加を得て、少しでも我が国の経験が世界に活かされ、また、更なる高齢化社会において如何なる改革が必要とされるのか、大変意義のある議論が出来ました。何よりも、参加された320名を超える方々から沢山の質問が寄せられ、貴重な意見交換が出来たことでした。

冒頭の私に提起した問題をPDFに纏めましたので、ご一読ください。
問題提起(PDF:868KB)

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武見敬三