シンガポール大学公共政策研究所主催セミナーに参加

 シンガポール国立大学にリー・クアン・ユー元首相を記念した公共政策研究所があります。この研究所主催でグローバル・ヘルスに関する世界のガバナンス、すなわち如何に国境を越えた問題としての健康問題を解決する世界の仕組みを作るか、その際、アジアがどの様に貢献すべきかといったことを討議するセミナーが開催されました。

 私は、日本、中国、インドがODA(公的援助)を通じて保健医療にいかに貢献しているかを議論するセッションのモデレーターとして招待されました。中国、インドが被援助でありながら援助提供国となり始めています。但し、両国が近隣諸国、又は、資源外交の一環として保健医療援助を実施している現状から、今後どれだけ世界の責任ある国家として、保健医療の問題に取り組むかが問われています。

 それにしても、シンガポールは、既に一人当たりの国民所得で日本を追い越していますが、世界での知的貢献でも日本を追い越して最先端の政策研究の体制を作っていました。日本も、国内で政治が混乱し皆が内向きになっているうちに、アジアでも圧倒的に出遅れた存在になってしまいかねません。

 今回も、参加した日本人は私一人です。若い研究者で構成された研究チームの中にも中国、韓国の研究者はたくさんいるのに日本人はいませんでした。

 老若男女、すべての日本人の奮起が求められます。政治家だけの力でこの国を立て直すこと等とてもできない程に、我が国の病巣は深刻のように思います。

武見敬三