2009.11.09 Harvardでの研究活動を終えて

7月に20ヵ月にわたるハーバード大学公衆衛生大学院および日米関係プログラム研究員としての研究活動を終了し帰国しました。この20カ月の間、ボストンを拠点としつつ欧州、アフリカ、中南米、アジアとグローバル・ヘルスに関する多くの国際会議に出席し、人間の安全保障に基づくグローバル・ヘルス政策につき所見を発表するとともに、現地の保健・医療事情を視察してまいりました。益々重要度の高まる国境を越えた保健医療問題に我が国として如何に取り組むか、その思いを新たにしました。その活動概要につきましては、
Conference,meetings and events」をご覧ください。

多くの国際会議に出席し優秀な専門家の人達と意見を交換することで、グローバル・ヘルスの特に政策分野の専門家がまだまだ我が国には育ってきておらず、国内の体制も極めて未整備であることを痛感しました。他方で、途上国にて多数の我が国の青年達が保健医療分野においても現地で活躍し、国際機関、NGOsの一員として活動していました。その多くが女性であり、我が国の女性の皆さんが国際的に大いに活躍されている様を目撃してきました。また、我が国は男女ともに世界の中で極めて高い平均寿命と健康寿命を誇っており、グローバル・ヘルスの分野において大いに貢献し得る潜在力を持ち期待もされていることに気がつきました。

その為には、国内の硬直した内向きの保健医療に関わる制度を改革し、縦割り行政の弊害を除去し官民協力をしやすい体制にもっていかなければなりません。そして、我が国はきちんとした政策目標を設定し、制度を戦略的且つより柔軟に機能するように再整備するならば、国際社会において相当に大きな責任ある役割を担えることを確信しました。

帰国直後に解散・総選挙、政権交代と激変する国内政治に直面し、幾分か浦島太郎状態になりましたが、帰国後3か月を経てそろそろ国内状況も把握できるようになりました。これからの5年から10年が、我が国がいかなる国となるかを決定する重要な最後の時期に入ったように思えます。国境を越えた問題が予期せぬかたちで噴出する21世紀において、我が国社会に内在する固有の良い面をしっかりと維持しつつ、人類の生存をかけた国際社会の変化に如何に対応し責任ある役割を果たしていくか、しっかりと考えながら、このサイトを皆様にお送りしたいと思っております。